《海の男たちの歌》《神曲》《オデュッセイ》など、迫力ある物語性豊かな吹奏楽曲で知られる作曲家、ロバート・W・スミス。
歴史や文学を題材にした本格的な交響曲から、嵐や列車の情景を鮮やかに描く作品、初心者でも楽しめるファンファーレまで、その作風は実に幅広いものです。
この記事では、そんなロバート・W・スミスの代表的な吹奏楽曲26作品を、特徴や聴きどころ、演奏動画とともにご紹介します。コンクールや演奏会の選曲、お気に入りの作品探しにぜひご覧ください♪
海の男たちの歌
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約8分
スミスの代表作としてまず紹介したいのが《海の男たちの歌》。アメリカ海軍軍楽隊の委嘱で作曲された、海に生きる人々を描く3つの場面からなる作品です。
船乗りの歌を思わせる「海の歌」、海の生き物を描く「鯨の歌」、快速帆船が走る「ヤンキー・クリッパーの競走」と、情景が次々に変わります。打楽器も効果的に使われ、短い時間で海の世界を旅しているような気分になれます!
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交響曲第1番「神曲」
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約26分
ダンテの叙事詩『神曲』に着想を得た、スミスの本格的な吹奏楽交響曲。激しいドラマと多彩な音色が広がる、作曲家を語るうえで欠かせない大作です。
「地獄」「煉獄」「昇天」「天国」の4楽章で、暗く緊迫した世界から光に満ちた結末へと音楽が進みます。管楽器の大胆な響きや打楽器の効果も特徴。まずは各楽章の雰囲気の違いを聴き比べてみてください。下の動画は第1楽章です。
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伝説のアイルランド
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約7分
アイルランドの歴史や伝説を舞台に、民族音楽の雰囲気を生き生きと描いた作品。勇ましさと素朴な美しさをあわせ持ち、スミスの物語性豊かな作風を楽しめます。
作曲者は3つの城と、伝説に登場する人物たちを題材に選びました。ティン・ホイッスルやアイルランドの太鼓・バウロンなどの響きも取り入れ、異国の風景を鮮やかに感じさせます。民族的な音色に耳を傾けたい1曲です!
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交響曲第2番「オデュッセイ」
作曲:ロバート・W・スミス
ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』を題材にした、スミスの交響曲第2番。英雄オデュッセウスの長い旅を、壮大な吹奏楽のサウンドで描いています。
全4楽章で構成され、戦いの場面や海を巡る旅、故郷へ帰る思いなど、物語のさまざまな表情が音楽になります。神話のあらすじを知ってから聴くと、劇的な展開をいっそう楽しめそうです。
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アフリカの儀式と歌、宗教的典礼
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約9分
力強い打楽器と重厚な管楽器の響きが耳を引く、スミスの代表的な大作のひとつ。儀式や歌、踊りを思わせる場面を通して、色彩豊かなサウンドを展開します。
激しいリズムに続いて、神秘的な雰囲気のなかからイングリッシュホルンの旋律が登場します。ボンゴやコンガなどの打楽器も大活躍。音楽のエネルギーが高まっていく流れに注目して聴いてみてください。
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交響曲第3番「ドン・キホーテ」
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約25分30秒
セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』を吹奏楽の交響曲にした作品。スミスの3つの交響曲を聴き比べたい人には外せない、物語の魅力にあふれた大作です。
風変わりな騎士ドン・キホーテと、従者サンチョ・パンサの旅を全4楽章で描いています。ファゴットやイングリッシュホルンなどの個性的な音色にも注目。ユーモラスな場面と美しい歌が交錯します。
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インチョン
作曲:ロバート・W・スミス
歴史上の出来事をテーマにしたスミスの吹奏楽作品。《インチョン》は、朝鮮戦争で行われた仁川上陸作戦を題材とする、緊迫感のある音楽です。
大きくうねる管楽器の響きと打楽器が、作戦の緊張や激しい動きを感じさせます。実際の歴史を背景にしながら、音楽としてのドラマを描くスミスらしさが伝わる1曲です。
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列車大競争
作曲:ロバート・W・スミス
蒸気機関車が走る様子を吹奏楽で表現した、スミスの人気作品。比較的取り組みやすい難易度で、演奏会のオープニングやコンクールの候補にもなります。
題材はアメリカ南北戦争中、アトランタとチャタヌーガを結ぶ鉄道で起こった追跡劇。列車の汽笛や車輪の動きを思わせる効果音と、勢いのあるリズムが見どころです。思わず手に汗を握る展開を楽しめます!
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テンペスト
作曲:ロバート・W・スミス
初めての吹奏楽曲としても取り組みやすい《テンペスト》。スミスの教育的な作品の代表例で、やさしい難易度ながら、嵐のような迫力を味わえます。
短いフレーズとわかりやすいリズムを重ねることで、力強いサウンドをつくっていくのが魅力。楽器を始めたばかりのバンドでも、合奏する楽しさや音の強弱を学べる作品です。
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イントゥ・ザ・ストーム
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約6分
嵐の圧倒的なエネルギーを音にした、スピード感あふれる吹奏楽曲。中級バンドの演奏会でも映える、迫力たっぷりの作品です。
着想のもとになったのは、1993年にアメリカを襲った記録的な暴風雪。休みなく動く音型や次々と重なる管楽器の響きが、風雪の激しさを描き出します。《テンペスト》と聴き比べるのも楽しいですよ!
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月への12秒
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約12分
ライト兄弟の初飛行から月面着陸へ――人類の空への挑戦を祝う、スミスの大規模な吹奏楽作品。難易度も高く、吹奏楽の表現力を存分に使った1曲です。
題名の「12秒」は、1903年のライト兄弟による初飛行の時間に由来します。鋭い管楽器の音型や爆発的な打楽器が、空と宇宙へ向かう冒険心を表現。コンサートでじっくり聴きたい大作です。
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エンカント
作曲:ロバート・W・スミス
華やかで生き生きとした音楽を楽しめる《エンカント》。スミスが若い演奏者のために書いた作品のひとつで、教育的なレパートリーとしても知られています。
金管楽器の明るい響きとリズムの推進力が印象的。聴きやすさと吹きごたえを両立した作品なので、演奏会のプログラムを彩る曲としても検討したいところです。
※動画はフレックスバンド版の演奏です。
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グレート・スチームボート・レース
作曲:ロバート・W・スミス
蒸気船同士の競走を音楽にした、ユニークな題材の吹奏楽曲。列車を題材にした《列車大競争》と並べて聴くと、スミスの描写力の豊かさがよくわかります。
船のエンジンや汽笛、水の音を思わせる仕掛けが、レースの熱気を伝えます。スピード感あるリズムだけでなく、効果音を使った舞台演出にも注目したくなる作品です!
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ウィルソン組曲
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約13分
ユーフォニアム、またはテューバの独奏と吹奏楽のために書かれた全3楽章の作品。スミスの旋律美と協奏曲的な華やかさを両方楽しめる組曲です。
「Tronad」「In a Gentle Rain(優しい雨の中で)」「Hurricane」の3曲からなり、軽快な音楽、穏やかな歌、嵐のような終曲へと進みます。中間楽章の《優しい雨の中で》は、独立した独奏作品としても親しまれています。
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ゲマインハルト組曲
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約11分30秒
フルートの魅力をたっぷり味わえる、独奏フルートと吹奏楽のための組曲。フルート製造会社ゲマインハルトの記念事業として委嘱された全3楽章の作品です。
「回転木馬」「海に物語を語る」「フルートと太鼓の儀式」という、それぞれ個性的な楽章が並びます。第2楽章ではアルトフルートやフルート合奏も活躍。フルート奏者にはぜひ知ってほしい作品です!
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トゥ・ザ・サミット!
作曲:ロバート・W・スミス
「最高峰を目指せ」という副題を持つ、前向きなエネルギーに満ちた吹奏楽曲。演奏会のクライマックスにも似合う、力強く華やかな作品です。
印象的な木管楽器のソロに、金管楽器と打楽器の力強い響きが重なっていきます。希望を感じさせる旋律と勢いのあるリズムの対比が聴きどころ。バンド全体が音楽を押し上げるような高揚感を楽しめます!
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黒鷹が舞う場所
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約6分
大空を舞う鷹の姿を思わせる、伸びやかな旋律が魅力の作品。アメリカ・バージニア州のブルックポイント高校の開校記念に作曲されました。
堂々としたファンファーレの後、風に乗って飛ぶ鷹を思わせるメロディーが広がります。中間部には学校のために書かれた歌の旋律も登場。祝典らしさと温かな表情がひとつになった作品です。
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クロノス
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約5分40秒
神話に登場する「時を司る存在」から着想した作品。スミスならではの躍動的な音楽を、比較的取り組みやすい難易度で味わえます。
繰り返されるリズムとさまざまな楽器の音色が組み合わさり、音楽が前へ前へと進んでいきます。難しく聴こえる部分も演奏しやすいよう工夫されていて、初中級バンドの選曲にも役立ちそうです。
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チャタークア
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約6分40秒
アメリカ・ニューヨーク州西部のチャタークア地方に着想した吹奏楽作品。雄大な自然の風景と、どこか懐かしい雰囲気が魅力です。
「チャタークアの日の出」「新しい夜明け」「ニッケルオデオンを通って」という3つの場面で構成されています。穏やかな旋律から、昔の映画館を思わせる音楽へ。音の表情が変わっていく様子が楽しい1曲です。
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セレンゲティ・ドリームズ
作曲:ロバート・W・スミス
アフリカ東部・タンザニアのセレンゲティ国立公園を舞台にした、初級バンド向けの作品。雄大な自然や動物たちの姿を吹奏楽で表現しています。
草原の広がりを思わせる堂々とした音楽に始まり、さまざまな動物をイメージさせる響きが登場します。管楽器と打楽器の音色を工夫する楽しさがあり、演奏を始めたばかりの人にも親しみやすい1曲です。
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ライツ・オブ・タンブーロ
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約3分45秒
打楽器が音楽をぐいぐい引っ張る、リズムの面白さが詰まった吹奏楽作品。さまざまな文化の儀式や祭礼に着想を得た、初中級バンド向けの1曲です。
力強いビートの上に管楽器の旋律が重なり、曲が進むにつれて熱気が増していきます。色彩豊かな音の組み合わせにも注目。打楽器パートに活躍の場が欲しいときにも、候補にしたくなる作品です。
※動画は管弦楽版の演奏です。
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ホエン・サマー・テイクス・フライト
作曲:ロバート・W・スミス
夏の輝きや開放感を思わせる、明るい雰囲気の吹奏楽曲。スミスの教育的な作品のなかでも、軽快な音楽を探している人に紹介したい1曲です。
跳ねるようなリズムと、すっきりとしたメロディーが魅力。夏の空へ飛び立つような気分を味わいながら、管楽器の響きを楽しめます。演奏会のプログラムに爽やかなアクセントを加えてくれそうです。
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アパラチアン・フォーク・ソングによる組曲
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約9分
アメリカのアパラチア地方に伝わる民謡をもとにした組曲。土地に受け継がれてきた歌と吹奏楽の響きを結びつけた、温かみのある作品です。
イギリス出身の民謡研究家セシル・シャープが、20世紀初頭に採集した歌が着想のもとになっています。性格の異なる短い曲が続き、最後は活気あるリールへ。民謡の素朴な魅力をたっぷり楽しめます。
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イアハート:勇気の響き
作曲:ロバート・W・スミス / 演奏時間:約6分40秒
世界的な女性飛行家アメリア・イアハートの挑戦を題材にした吹奏楽曲。夢に向かって進む勇気や、飛行の高揚感を描くドラマチックな作品です。
大空へ飛び立つイメージにふさわしい、広がりのある旋律が魅力。フルートが重要なソロを受け持つ場面にも注目してみてください。物語を持つ自由曲を探しているバンドにもおすすめしたい1曲です。
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フーリオーソ
作曲:ロバート・W・スミス
短い時間でも勢いのある音楽を楽しめる、入門バンド向けの作品。スミスが初心者のためにも魅力的な曲を書いていたことがよくわかります。
明快な拍子感や力強い音の出し方を通して、合奏の基本を学べるのがポイント。初めての演奏会でも、元気いっぱいのサウンドを届けられそうです!
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アポロ・ファンファーレ
作曲:ロバート・W・スミス
華やかな金管楽器の響きを楽しめる、初心者向けの短いファンファーレ。演奏会の幕開けや、プログラムの区切りにも使いやすい作品です。
親しみやすいフレーズと歯切れのよいリズムで、明るく堂々とした雰囲気をつくります。難しい技巧に頼らず、みんなでそろえて演奏する楽しさを味わえるのが魅力です。
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作曲家について
ロバート・W・スミス(1958~2023)は、アメリカ・アラバマ州出身の作曲家、編曲家、教育者です。トロイ大学などで音楽教育に携わりながら、数多くの吹奏楽作品を発表しました。《神曲》《オデュッセイ》《ドン・キホーテ》などの交響曲をはじめ、演奏経験の浅いバンド向けの作品も豊富。壮大な物語を感じさせる音楽と、演奏者の成長につながる親しみやすい作品の両方を残しています。