《マードックからの最後の手紙》《マゼランの未知なる大陸への挑戦》など、ドラマチックな吹奏楽曲で知られる作曲家、樽屋雅徳。
タイタニック号の物語や日本の神話、歴史上の人物、文学作品など、さまざまな題材を取り上げ、美しいメロディーと迫力ある音楽で表現しています。コンクールの自由曲で樽屋作品を演奏したことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな樽屋雅徳の代表的な吹奏楽曲22作品を、曲の特徴や聴きどころ、演奏動画とともにご紹介します。定番曲から少し知られていない作品まで、次の演奏会やコンクールの選曲にぜひお役立てください♪
マードックからの最後の手紙
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約8分30秒(通常版)
樽屋雅徳の代表曲といえば、やっぱりこの曲!コンクールの自由曲や定期演奏会で長年親しまれている、人気の高い吹奏楽作品です。
題材となったのは、1912年に沈没した豪華客船タイタニック号の一等航海士、ウィリアム・マクマスター・マードック。彼が家族に宛てて書いたであろう最後の手紙を想像し、アイリッシュ調の美しい旋律で描いています。壮大なクライマックスと切ないメロディーが印象的で、通常版のほかにも特別版、小編成版、2021年版が制作されています。
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マゼランの未知なる大陸への挑戦
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約9分
冒険の物語を描いた壮大な吹奏楽曲が好きなら、ぜひ聴いてほしい1曲!《マゼランの未知なる大陸への挑戦》も、樽屋雅徳の初期からの代表作品として知られています。
16世紀の大航海時代、世界一周航海を目指したマゼランの冒険が題材。実際のマゼランは航海の途中で命を落としましたが、作品ではその冒険と、彼がもし最後まで旅を続けていたらという想像が音楽に込められています。勇ましいファンファーレから歌い上げる旋律まで、映画のようなスケール感を味わえる作品です。
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ラザロの復活
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約6分30秒(原典版)
神秘的でドラマチックな曲を探している人におすすめしたい《ラザロの復活》。樽屋雅徳の代表作のひとつで、後に2013年改訂版も制作された作品です。
題材は新約聖書に登場する、イエス・キリストが亡くなったラザロを生き返らせる物語。悲しみや祈りを思わせる音楽から、復活の奇跡を描く力強い響きへと展開していきます。壮大な物語を比較的短い時間で楽しめるのも魅力です。
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絵のない絵本
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約8分20秒
樽屋作品の美しいメロディーを楽しみたい人には、こちらもおすすめ!《絵のない絵本》は、デンマークの童話作家アンデルセンの同名作品をもとにした幻想的な吹奏楽曲です。
月が世界各地で見聞きした物語を、貧しい若い画家に語り聞かせるという原作の世界観を、色彩豊かな音楽で描いています。静かな夜を思わせる旋律から、物語が広がっていくような華やかな展開まで魅力たっぷり。終盤では合唱も加わり、感動的なフィナーレを迎えます。
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民衆を導く自由の女神
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約7分30秒
歴史の大きな転換点を吹奏楽で描いた、迫力満点の作品!《民衆を導く自由の女神》は、フランスの画家ドラクロワによる有名な絵画から着想を得た1曲です。
題材となったのは、1830年にフランスで起こった七月革命。静かに団結する民衆、激しい戦い、そして自由への希望が、ドラマチックな音楽で描かれています。ユーフォニアムのソロから広がる温かな旋律と、壮大な結末にも注目です。
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斐伊川に流るるクシナダ姫の涙
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約8分40秒(中編成版)
和風の吹奏楽曲が好きな人に、ぜひ知ってほしい定番作品!《斐伊川に流るるクシナダ姫の涙》は、出雲神話の「ヤマタノオロチ退治」を題材にした、樽屋雅徳の人気曲です。
物語の中心となるのは、ヤマタノオロチの生贄にされそうになったクシナダ姫と、彼女を救うスサノオ。悲しみをたたえた旋律と、巨大な大蛇との戦いを思わせる力強いサウンドが鮮やかに対比します。和太鼓などの響きも印象的で、小編成版や2022年版なども制作されています。
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無辜の祈り
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約7分
樽屋作品のなかでも、静かな祈りと強い思いが込められた1曲。《無辜の祈り》は、2011年の東日本大震災を題材にした吹奏楽作品です。
作曲者が訪れた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」などから着想を得て、震災の記憶と復興への願いを音楽で描いています。穏やかな木管楽器の旋律と力強い全合奏の対比が印象的。深い思いを込めて演奏したい作品です。
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白虎繚乱~なれし御城に残す月影~
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約6分50秒
近年のコンクール自由曲として注目したい《白虎繚乱》。幕末の戊辰戦争で悲劇的な運命をたどった、会津藩の少年たち「白虎隊」を題材とした作品です。
力強い打楽器の響きと哀愁漂うフルートの旋律から始まり、少年たちの戦いや故郷への思いが音楽で描かれます。和太鼓や締太鼓などの和の響きも魅力。演奏時間が約7分と比較的コンパクトで、小編成にも対応した作品です。
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想ひ麗し浄瑠璃姫の雫
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約9分
切ない恋物語を題材にした吹奏楽曲を探しているなら、ぜひ聴いてほしい作品。《想ひ麗し浄瑠璃姫の雫》は、浄瑠璃姫と源義経をめぐる伝説から生まれた1曲です。
義経の北行伝説を背景に、浄瑠璃姫への思いと再会の物語がドラマチックに描かれます。東北の祭りを思わせるリズムや、しっとり歌われる旋律が魅力。和の響きと樽屋雅徳らしい美しいメロディーの組み合わせを楽しめます。
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Crossfire 2023 ed. – November 22 J.F.K
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約7分30秒(2023年版)
樽屋作品のなかでも、緊張感のある現代史を題材にした1曲。1963年11月22日、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された事件を音楽で描いています。
衝撃的な事件を思わせる打楽器の響きから始まり、不安や混乱、追悼の思いが交錯するドラマチックな音楽が展開します。2023年版は大編成の吹奏楽用に再構成された作品。後に紹介する《November 19》とは、数字が似ていますが異なる題材の作品です。
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November 19(Revised Edition)
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約6分50秒(改訂版)
こちらはアメリカの歴史に残る演説を題材にした作品。《November 19》というタイトルは、リンカーン大統領がゲティスバーグ演説を行った1863年11月19日に由来しています。
南北戦争の激しい戦いと、リンカーンの平和や自由への思いを思わせる音楽が展開します。静かなフルートの旋律、緊迫したリズム、壮大な全合奏などが聴きどころ。ここで紹介する小編成用のRevised Editionは、原曲の素材を使いながら新たに構成された別バージョンです。
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ペドロの奇跡の夜
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約7分
クリスマスの演奏会にも似合いそうな、心温まる物語の吹奏楽曲!《ペドロの奇跡の夜》は、小さな少年の優しさが奇跡を起こす、クリスマスの物語を題材にしています。
クリスマスの夜、立派な贈り物をしても鳴らなかった教会の鐘が、少年ペドロのささやかな贈り物によって鳴り響くというお話。ホルン、フルート、アルトサクソフォーンなどの美しいソロが物語を彩ります。壮大な作品とはまた違う、温かく親しみやすい樽屋作品です。
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トビアスの家を去る大天使ラファエル
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約8分30秒
壮大な冒険と神秘的な雰囲気を楽しめる、樽屋雅徳の物語音楽。《トビアスの家を去る大天使ラファエル》は、『トビト記』に登場する大天使ラファエルと青年トビアスの物語を題材にした作品です。
困難に直面した人々を救うため、トビアスとともに旅をする大天使ラファエル。神秘的な冒頭から試練を思わせる緊迫した音楽、そして祝福に満ちた結末まで、さまざまな情景が次々と現れます。映画のような展開を楽しみたい人にもおすすめです。
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サントス・デュモンの大空への夢
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約6分40秒(原典版)
空への憧れと挑戦を描いた、爽快でドラマチックな吹奏楽作品!《サントス・デュモンの大空への夢》は、航空の先駆者として知られるブラジル出身の発明家を題材にしています。
飛行船や飛行機の開発に情熱を注いだサントス・デュモンの、夢を追い続ける姿を音楽で表現。前向きで伸びやかな旋律と、挑戦を思わせる力強い展開が魅力です。原典版のほか、2024年版も出版されています。
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夜空を輝らすオリオンの月の小舟
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約8分30秒
冬の星空に輝くオリオン座をテーマにした、美しく幻想的な吹奏楽曲。小編成にも対応している作品で、壮大な宇宙のイメージが音楽に広がります。
ギリシャ神話に登場する狩人オリオンと、月や狩猟に関わる女神アルテミスの物語が題材。夜空を思わせる静かな旋律からドラマチックな音楽まで、ロマンティックな雰囲気と迫力のある響きが楽しめます。
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真実に響くアトリの鐘
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約9分
心に残る物語を音楽で楽しみたい人におすすめしたい作品。《真実に響くアトリの鐘》は、イタリアのアトリという町に伝わる、正義の鐘の物語から生まれました。
町に吊るされた鐘は、不当な扱いを受けた人が鳴らすと裁判官が話を聞いてくれるというもの。ある日、やせ衰えた馬が偶然その鐘を鳴らし、持ち主に大切なことを気づかせます。温かな物語と壮大な音楽が重なり、聴き終わったあとにも余韻が残る作品です。
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ヘスペリデスの黄金の林檎
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約7分30秒
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが活躍する、勇壮な吹奏楽曲!《ヘスペリデスの黄金の林檎》は、ヤマハ吹奏楽団の委嘱によって2006年に作曲された作品です。
題材となったのは、ヘラクレスに課せられた難題のひとつ、黄金の林檎を手に入れる冒険。トランペットによる英雄的な主題や、激しい動きのある木管楽器のフレーズが、戦いや試練を描き出します。神話の世界に入り込んだような、迫力ある音楽が魅力です。
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アトランティス
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約8分30秒
失われた大陸をテーマにした、壮大で幻想的な吹奏楽曲。《アトランティス》は、宝塚市吹奏楽団からの委嘱によって作曲されました。
古代、大西洋に存在したと伝えられる伝説の大陸アトランティス。謎に包まれたその世界を思わせる、美しく神秘的な旋律と力強い響きが魅力です。歴史のロマンや壮大な情景を感じられる作品を探している人にもおすすめです。
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銀河鉄道の夜
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約9分30秒
日本文学の名作を吹奏楽で楽しめる《銀河鉄道の夜》。宮沢賢治の同名作品を題材に、少年ジョバンニとカムパネルラの不思議な旅を描いた作品です。
星空を駆ける銀河鉄道、旅の途中で出会う人々、そして友情と別れ。物語の場面に合わせて曲想が次々と変化します。途中には《マードックからの最後の手紙》を思わせるフレーズも登場するので、両作品を聴き比べてみるのも面白いですよ!
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ペルソナ・ノン・グラータ
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約7分
樽屋雅徳の近年の作品からも1曲ご紹介します。《ペルソナ・ノン・グラータ》は、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人難民へ渡航ビザを発給した、日本の外交官・杉原千畝を題材とした作品です。
タイトルは「歓迎されざる者」という意味。厳しい時代のなかでも人々の命を救おうとした杉原千畝の信念が、重厚でドラマチックな音楽によって描かれています。静かなピアノとフルートの旋律で始まり、緊張感のある展開へと進む作品です。
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エクラ・ド・リール~アメノウズメの舞~
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約6分45秒
日本神話を題材にした、2026年発売の小編成向け作品!《エクラ・ド・リール~アメノウズメの舞~》は、天岩戸の神話に登場する女神、アメノウズメを描いた吹奏楽曲です。
天照大神が岩戸に隠れ、世界が暗闇に包まれたとき、舞によって再び光を取り戻すきっかけをつくったアメノウズメ。優雅で神秘的な雰囲気だけでなく、明るさやユーモア、生命力に満ちた音楽が魅力です。和風の作品を探している小編成バンドにも注目してほしい1曲です。
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ノアの方舟
作曲:樽屋雅徳 / 演奏時間:約7分
旧約聖書に登場する「ノアの方舟」を題材にした、壮大な吹奏楽作品。2006年に市川市立新浜小学校吹奏楽部の委嘱によって作曲されました。
物語は、神からのお告げを受けたノアが方舟をつくり、動物たちとともに大洪水を乗り越えるというもの。曲は大きく3つの場面に分かれ、神のお告げ、激しい洪水、そして希望の虹が描かれます。場面ごとの音楽の変化がわかりやすく、物語を想像しながら楽しめる作品です。
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作曲家について
樽屋雅徳(1978年生まれ)は、千葉県銚子市出身の作曲家・編曲家・指揮者。武蔵野音楽大学で作曲を学び、吹奏楽のための作品を数多く発表しています。
歴史上の人物や神話、文学作品などを題材にした、物語性豊かな作風が特徴。《マードックからの最後の手紙》《マゼランの未知なる大陸への挑戦》などの代表作は、現在も多くの吹奏楽団で演奏されています。