2020年の全日本吹奏楽コンクールは、新型コロナウイルス感染症の拡大により中止されました。
全国大会が中止されたのは、第二次世界大戦による中断から1956年に再開されて以来、初めてのことでした。
全日本吹奏楽連盟の当時の発表と公式記録をもとに、中止の理由、地方大会への影響、課題曲の扱い、2021年の再開までを振り返ります。
2020年の全日本吹奏楽コンクールはなぜ中止になった?
2020年の第68回全日本吹奏楽コンクールは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、参加者・来場者・関係者の生命と安全を優先するため中止されました。
全日本吹奏楽連盟は2020年5月10日に中止を発表しました。全国大会は開催されず、2020年度の課題曲はそのまま2021年度の課題曲として使用されました。
2020年の第68回全日本吹奏楽コンクールは中止
2020年度に予定されていたのは、第68回全日本吹奏楽コンクールでした。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、全国大会は開催されませんでした。
| 項目 | 2020年度の記録 |
|---|---|
| 大会 | 第68回全日本吹奏楽コンクール |
| 開催予定 | 2020年10月〜11月 |
| 中止発表 | 2020年5月10日 |
| 中止理由 | 新型コロナウイルス感染症の拡大 |
| 全国大会 | 全ての部門で中止 |
| 課題曲 | 2021年度へ引き継ぎ |
全日本吹奏楽連盟の公式沿革にも、第68回大会は新型コロナウイルスのため中止されたことが記録されています。
中止が発表されたのは2020年5月10日
全日本吹奏楽連盟は2020年5月10日、同年度の秋季事業の中止を発表しました。
この発表で中止が決まった全国規模の事業は、全日本吹奏楽コンクールだけではありません。
| 中止された事業 | 大会回次 |
|---|---|
| 全日本吹奏楽コンクール | 第68回 |
| 全日本小学生バンドフェスティバル | 第39回 |
| 全日本マーチングコンテスト | 第33回 |
これら3事業は、全日本吹奏楽連盟が実施する秋季の全国大会です。
2020年3月のアンサンブルコンテストも中止
秋の全国大会に先立ち、2020年3月20日に福井県で開催予定だった第43回全日本アンサンブルコンテストも、新型コロナウイルス感染症の影響で中止されています。
こちらは2019年度の事業であり、5月に中止が発表された2020年度の秋季3事業とは区別する必要があります。
なぜ全国大会の中止が決定された?
全日本吹奏楽連盟は、中止の理由を2020年8月発行の会報『すいそうがく』第214号で説明しています。
当時、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、秋季事業の開催についてさまざまな観点から検討・協議が行われました。
その結果、参加団体、来場者、大会関係者の生命と安全を最優先するという判断に至り、全国大会の中止が決定されました。
新型コロナウイルス感染症が広がるなかで、秋季事業の実施について検討が重ねられていました。
参加者・来場者・関係者の安全を第一に考え、全国大会を中止することが決定されました。
連盟は会報の中で、この決定を苦渋の判断であったと説明しています。
公式発表で確認できる中止理由
本記事では、全日本吹奏楽連盟が公式に示した感染拡大と安全確保の判断を中止理由として扱います。
個々の会場事情や、特定の団体・部門だけが中止の原因になったとする説明はしていません。
地方大会もすべて中止になった?
全日本吹奏楽連盟が2020年5月に中止を決定したのは、全国大会の3事業です。
地区大会や都道府県大会、支部大会については、各大会を主催する地域の吹奏楽連盟などが開催の可否を判断しました。
全日本吹奏楽連盟が2020年5月10日に中止を発表。
支部・都道府県・地区などの主催連盟が、それぞれ開催可否を決定。
例えば、釧路地区吹奏楽連盟は2020年5月10日、全日本吹奏楽連盟と北海道吹奏楽連盟の発表を受け、同地区の吹奏楽コンクールなどを中止すると発表しています。
また、長野県の高校部門でも、上位大会の中止を受けて協議が行われ、県内の大会を中止する判断が示されました。
全国大会の中止と地方大会の中止は別の決定
2020年度は各地域でも多くの大会が中止されましたが、全日本吹奏楽連盟の全国大会中止発表だけで、全国すべての地方大会の開催可否が一律に決定されたわけではありません。
2020年度の課題曲はどうなった?
2020年度の全日本吹奏楽コンクールには、5曲の課題曲が用意されていました。
全国大会は中止となりましたが、これらの作品は翌2021年度の課題曲として引き継がれました。
| 番号 | 課題曲 | 作曲者 |
|---|---|---|
| Ⅰ | トイズ・パレード | 平山雄一 |
| Ⅱ | 龍潭譚 | 佐藤信人 |
| Ⅲ | 僕らのインベンション | 宮川彬良 |
| Ⅳ | 吹奏楽のための「エール・マーチ」 | 宮下秀樹 |
| Ⅴ | 吹奏楽のための「幻想曲」―アルノルト・シェーンベルク讃 | 尾方凜斗 |
全日本吹奏楽連盟の公式販売案内でも、2021年度の課題曲は2020年度と同じ作品であることが明記されています。
2020年度の課題曲が使われた大会
2020年度の全国大会では課題曲の演奏・審査は行われませんでした。
翌2021年度の全国大会では、これらの5作品が課題曲として使用されました。課題曲Ⅴは高等学校・大学・職場一般の部を対象とする作品です。
2020年は戦後初めて全国大会が中止された年
全日本吹奏楽コンクールは1940年に第1回大会が開催され、1943年には第二次世界大戦のため第4回大会が中止となりました。
その後、1956年の第4回大会をもって再開し、2019年の第67回大会まで毎年開催されていました。
2020年の第68回大会中止は、1956年の再開以降、初めて全国大会が開催されなかった事例です。
大阪で開催。
第二次世界大戦のため中断。
戦後最初の全国大会を開催。
新型コロナウイルス感染症拡大前の全国大会。
感染症拡大により全国大会が中止。
全国大会が再開。
戦時中断と1956年の再開については、別記事で詳しく紹介しています。
2021年に全国大会が再開
全日本吹奏楽コンクールは、2021年に第69回大会として再開されました。
中学校・高等学校の部は名古屋国際会議場、大学・職場一般の部は香川県のレクザムホールで開催されました。
| 部門 | 2021年の開催日・会場 |
|---|---|
| 中学校 | 10月23日・名古屋国際会議場 |
| 高等学校 | 10月24日・名古屋国際会議場 |
| 大学 | 10月30日・レクザムホール |
| 職場・一般 | 10月31日・レクザムホール |
感染症拡大の影響により全国大会中止。
全国大会を再開。2020年度の課題曲を使用。
2020年の第68回大会は中止となりましたが、翌2021年の大会回次は第69回となりました。
中止の記録はどこで調べられる?
2020年の全国大会中止については、全日本吹奏楽連盟の公式沿革と、会報『すいそうがく』第214号で確認できます。
また、2020年度課題曲が翌年度に引き継がれたことは、連盟の2021年度課題曲販売案内にも記録されています。
記録の確認範囲について
本記事では、全国大会の中止理由と経過について全日本吹奏楽連盟の公式資料を中心に掲載しています。
地方大会の開催状況は地域ごとに異なるため、全国すべての地区・都道府県・支部大会の実施状況を網羅したものではありません。
出典・参考資料
全日本吹奏楽連盟の公式記録と、地方連盟が当時発表した資料を中心に参照しました。
資料確認:2026年10月29日