吹奏楽コンクールでは、どの楽器を使用できるのでしょうか。また、課題曲の指定パートが揃わない場合、ほかの楽器で代用することはできるのでしょうか。
2026年度の全日本吹奏楽コンクール実施規定と、全日本吹奏楽連盟が公表した「課題曲演奏の注意事項」をもとに、楽器編成と代替のルールを整理します。
吹奏楽コンクールの楽器編成ルール
課題曲は、原則としてスコアに指定された編成で演奏します。パートや楽器が不足する場合は、公式に定められた条件のもとで代替が認められます。
自由曲は木管・金管・打楽器を基本とし、コントラバス・ピアノ・チェレスタ・ハープも使用可能です。
課題曲と自由曲では楽器の持ち替えが認められますが、演奏者は同一メンバーでなければなりません。
課題曲と自由曲では楽器編成のルールが違う
2026年度の全国大会規定第11条では、課題曲と自由曲の編成をそれぞれ定めています。
課題曲
指定スコアの編成が原則
全日本吹奏楽連盟が定めるスコアの楽器編成に従います。楽器やパートが不足する場合には、条件付きの代替規定があります。
自由曲
規定の範囲内で選曲
木管・金管・打楽器を基本とし、指定された追加楽器も使用できます。編曲には著作権上の注意が必要です。
課題曲で楽器やパートが不足した場合
2026年度の課題曲演奏の注意事項では、編成が揃っている団体と、揃っていない団体で取り扱いが異なります。
オプションを除くすべてのパートが揃っている場合、変更は認められません。スコアに指定された編成に従います。
不足パートについて、課題曲のスコアに記載された楽器(オプションを含む)による代替が認められます。ただし、オプションパートを別の楽器で代替することはできません。
トランペットをコルネットで演奏するなど、公式に指定された一部の代替が認められます。ただし、部分的な代替はできず、課題曲と自由曲の両方で同じ代替楽器を使用する条件があります。
パート不足と楽器の代替は別の規定
「指定されたパートが足りない場合」と「指定された種類の楽器がない場合」では、認められる代替の方法が異なります。
いずれの場合も自由な編曲が認められるわけではありません。
楽器の調性も指定に従う
課題曲では、楽器の調性が指定されている場合、その調性の楽器を使用します。調性の指定がない場合は問いません。
| 例 | 取り扱い |
|---|---|
| クラリネット・トランペット | スコアに指定された調性に従う |
| チューバ | 調性が指定されていなければ、B♭管・C管・E♭管などを使用できる |
これらは全日本吹奏楽連盟の2026年度の注意事項に示されている例です。
指定楽器がない場合に認められる3つの代替
全日本吹奏楽連盟は、指定された楽器そのものがない場合、次の代替を認めています。
ただし、次の条件があります。
楽曲の一部分だけ指定外の楽器に置き換えることは認められません。
代替する場合は、両方の曲で同じ代替楽器を使用する必要があります。
例えば、トランペットをコルネットで代替する場合、課題曲の一部分だけをコルネットにすることはできません。
Soloや1 playerのパートを分担できる?
2026年度の注意事項では、スコアに「Solo」または「1 player」と指定された部分を、1人で一貫して演奏することが難しい場合、同じ楽器の複数の奏者で分担することが認められています。
2人以上が同じSoloや1 playerの部分を同時に演奏することはできません。
打楽器や特殊な奏法の扱いは?
課題曲の打楽器も、スコアと公式の注意事項に従って演奏するのが基本です。
2026年度には、作品ごとに個別の例外や演奏上の注意も公表されています。
2026年度課題曲Ⅰの例
全日本吹奏楽連盟のQ&Aでは、ティンパニを持たない団体が、スコアに記載のないトムトムを使用することについて、認める回答を公表しています。
2026年度課題曲Ⅳの例
《管楽器のためのフィナーレ》では、スコアの小音符について、作曲者が示した演奏上の注意に従う特例があります。
これらは個別の作品についての取り扱いであり、すべての課題曲に適用できる一般ルールではありません。
課題曲のQ&Aや訂正を確認する
年度ごとの課題曲には、スコア訂正や追加の演奏上の注意が発表されることがあります。演奏前に必ず公式情報を確認してください。
自由曲で使用できる楽器
2026年度の全国大会実施規定第11条では、自由曲の基本編成を木管楽器・金管楽器・打楽器(擬音楽器を含む)としています。
歌声の使用は認められる?
自由曲でも、規定の範囲を超える楽器や歌唱が無条件で認められるわけではありません。
編曲した自由曲を演奏する場合
著作権が存在する楽曲を編曲して演奏する場合、実施規定第14条により、事前に著作権者から編曲の許諾を受ける必要があります。
演奏時間に合わせたカットや楽器編成の変更についても、作品や変更内容によって権利者への確認が必要です。
課題曲と自由曲で楽器を持ち替えられる?
楽器の持ち替えは認められています。
ただし、2026年度の全国大会規定第12条では、課題曲と自由曲を同一メンバーが演奏することが求められています。
| 例 | 規定上の扱い |
|---|---|
| 同じ奏者がフルートからピッコロへ持ち替える | 認められる(各曲の使用楽器規定に従う) |
| 課題曲と自由曲で奏者を入れ替える | 認められない |
| 課題曲と自由曲で指揮者を替える | 認められない |
持ち替えと指定楽器の代替は別
通常の楽器持ち替えが認められていても、課題曲の指定楽器そのものを別の楽器で代替する場合には、別途条件があります。
課題曲・自由曲とも、各楽曲の使用楽器に関する規定を優先して確認してください。
地方大会・小編成でも同じルール?
ここまで紹介した内容は、2026年度の全日本吹奏楽コンクール全国大会規定を基本にしています。
地区・都道府県・支部大会では、自由曲のみを演奏する部門や、独自の編成・人数条件が設けられる場合があります。
全国大会
課題曲+自由曲を演奏し、2026年度の全国大会実施規定に従います。
地方大会
部門ごとに課題曲の有無や編成規定が異なる場合があります。地域の実施要項を確認します。
出典・参考資料
全日本吹奏楽連盟の2026年度公式規定と、課題曲演奏の注意事項に基づいています。
資料確認:2026年10月29日
