
こんにちは!札幌のオーボエ奏者・太田駿祐です。
たくさんの自主公演コンサートを企画・主催している僕が、企画時の記録を残すシリーズ「公演の記憶」。
今回は2026年9月27日、札幌市時計台ホールで開催した「ソロを愉しむオーボエ・アンサンブル」について。
この演奏会をどのような発想から企画を実現していったのかをご紹介します。
オーボエ四重奏で、ソロを回したら楽しいんじゃない?
大学時代の仲間であるオーボエ奏者4人によるコンサートを開催したい! という思いから。
「何をするか」ではなく「誰とするか」から始まった企画でした。

さて。どんなコンセプトの演奏会にしようか…?
オーボエ4本のために書かれた作品はもちろん存在しますが、どれも一般のお客様にとっては馴染みの薄い作品ばかり。
ただの「オーボエ四重奏コンサート」では、なかなかお客様に興味を持っていただくきっかけを作れません。
せっかく企画するのだから、オーボエに詳しくない方にも「なんだか面白そう!」と思っていただける演奏会にしたい。
そこで悩みに悩んだ末に思いついたのが、
オーボエ四重奏で、
ソロを回したら楽しいんじゃない?
というアイデアでした。
通常、ピアノやオーケストラなどの伴奏で演奏することが多いソロ曲。
今回は、その伴奏をオーボエ・アンサンブルで担当したら面白いのではないか……?
ひとりがソリストになり、残りのメンバーが伴奏を担当するのです。
このコンセプトにすることで、以下のお客様へのメリットと、企画上のメリットがあります。
- 親しみのあるソロ曲を、普段とは違うアレンジで楽しめる
- 珍しいオーボエ・アンサンブルの響きを味わえる
- オーボエ・ダモーレやイングリッシュホルンの音色も聴ける
- ソリストそれぞれの個性を楽しめる
- 親しみやすい曲名をチラシに掲載でき、集客のきっかけを作れる
- ソリストを交代することで、4人それぞれに見せ場を作れる
- オーボエ4本という小さな編成でも、変化に富んだプログラムを組める
- 一般的なオーボエ四重奏とは異なる企画として打ち出せる
さらに、このアイデアから生まれたのが、
「ソロを愉しむオーボエ・アンサンブル」
という演奏会タイトル。
何をする演奏会なのかが伝わりつつ、ちょっと面白そうな響きもある。
こうして、「ソロも伴奏も、みんなオーボエ!」 というコンセプトが生まれました。
3種類のオーボエで、音色の変化を楽しんでもらう
もうひとつ、今回の企画で大切にしたのが、以下の3種類のオーボエを登場させることです。
- オーボエ
- オーボエ・ダモーレ
- イングリッシュホルン
- お客様に楽しんでもらえる
- コンサートのセールスポイントが増える
- プログラムに彩りが出る
- 他の演奏会と差別化できる
- 僕がダモーレを使える(笑)
オーボエ・ダモーレとイングリッシュホルンは、オーボエの仲間でありながら、それぞれ異なる音色と魅力を持っています。
今回は、この3種類を順番にソリストとして登場させることで、それぞれの個性をじっくり味わってもらえる構成にしました。
恩師・岩崎弘昌先生との、もう一度の共演
ゲストとして、元 札幌交響楽団首席オーボエ奏者・岩崎弘昌先生をお迎えしました。
実は、今回出演するオーボエ奏者4人は、全員が大学時代に岩崎先生のもとで学んだ仲間たちなんです。



卒業から十数年。
こうしてまた同じステージに立てるというのは、なんとも嬉しいことだよね。(エモい。。。)
岩崎先生には2025年の「6人のオーボエ奏者によるアンサンブルコンサート」でもスペシャルゲストのソリストとして演奏していただきました。
お客様にもたいへん喜んでいただきましたし、僕らにとっても、ご褒美のような時間でした。
ぜひ、もう一度実現させたい。
そんな思いから、今回も岩崎先生にご出演をお願いし、アルビノーニのオーボエ協奏曲のソリストとしてご出演いただくこととなりました。
演奏会の企画には、大きく分けて2つの出発点があります。
「何をやるか」から始まる企画と「誰とやるか」から始まる企画です。
「何をやるか」から始まる場合は先にコンセプトが決まっているので、それに合う出演者や編成を考えていくことができます。
一方、「誰とやるか」から始まる場合は、メンバーや編成が先に決まっています。
その編成によっては、コンセプトを考えるのにとっても苦労します。
今回のオーボエ四重奏なんて、まさにそれ。
何が大変って、そもそもオーボエ四重奏のために書かれた作品があまり多くありません。
サックス四重奏やクラリネット四重奏には、かっこいい編曲もたくさんあるのですが……。(笑)
なので、まず曲を探すところから大変。
ようやく曲を揃えられたとしても、お客様が知らない曲ばかりでは、演奏会に遊びに来てもらえません。
今回は、まさにこの壁にぶち当たりました。
そこで、いっそのこと、その壁をぶっ壊すことにしました。
「そもそも、最初からオーボエ四重奏のために書かれた曲の中から選ぶのはやめよう!」
この発想からアイデアをこねくり回した末に、「ソロを愉しむオーボエ・アンサンブル」というコンセプトに辿りついたのでした。
既存の枠組みにとらわれず、アイデア次第で新たな楽しみを生み出せる。
そんなところが、演奏会を企画する面白さだなあと改めて感じています。
ソロも伴奏も、みんなオーボエ!
「大学時代の仲間とオーボエ四重奏をやりたい!」 という、メンバーありきで始まった今回の企画。
ただ4人で演奏するだけではなく、ソロを回し、楽器を持ち替え、そして恩師を迎える。
最初はコンセプトに頭を悩ませていましたが、結果的には、4人という小さな編成だからこそできる内容になったんじゃないかな?と思っています。
「ソロも伴奏も、みんなオーボエ!」
そんな、ちょっぴり変わった演奏会。
オーボエという楽器の魅力はもちろん、演奏するひとりひとりの個性も楽しんでいただく企画になりました。


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