オトナの趣味として管楽器を嗜んでいるとどうしてもぶち当たるのが「練習場所」の問題だ。
特に賃貸住まいの場合は死活問題だろう。
僕もいろんな練習場所を試行錯誤しながら今までオーボエを続けてきた。
ここではこれまでの練習場所の変遷を書いてみることとする。
クルマの中は貸し切りの練習室
僕は会社員時代、転勤族だった。
当時は島根県松江市に住んでいた僕の住まいは社宅代わりの「レオパレス」。
隣人のくしゃみが鮮明に聞こえてくるほどの壁の薄さの部屋(笑)で、もちろん楽器など吹けるわけはなかった。
当時、お金のない僕は無料で練習できる場所を探していた。
金管楽器と違ってオーボエはどうしても野外での練習はリスクが伴う。
(雨風や気温、湿度に敏感なんだよね。)
そのため、公園や河原での練習はハナから選択肢に入っていなかった。
そこで僕は、クルマの中で練習してみることにした。
交通量が多く、楽器の音が目立ちにくい場所を見つけて、そこを練習場所にしたのだ。
僕のクルマはジムニー。カーキ色のお気に入りだ。
決して車内は広くはない。夏は暑いし冬は寒い。
だが、オーボエを練習するには不満はなかった。
僕は毎晩、仕事帰りに練習場所に通いクルマの中でオーボエを吹く日々を送っていた。
しかし、その日々は長くは続かなかった。
札幌に転勤することになったのだ。
カラオケの「朝うた」プランはオトクすぎた
札幌に転勤した僕は、クルマで練習するのにふさわしい場所を探した。
しかし、家の近所には駐車できて、なおかつ楽器の音が目立ちにくい場所は見つからなかった。
僕はクルマでの練習をあきらめた。
当時、通っているジムのビルにカラオケ「まねきねこ」が入っていた。
ある日エレベーターに貼ってあるポスターに「朝うた」という3文字を見つけた。
午前中に行けば、オトクにカラオケを利用できるというプランだ。
このプランは、区民センターや公民館といった練習場所を借りるよりもずっと安かった。
しかもドリンク付き。僕にとってはオアシスだった。
週末はしばらく朝イチでジム➡カラオケの「朝うた」で練習、という午前中を過ごすことになった。
しかし、この日々もまた、長くは続かなかった。
週末の午前中だけでは足りない。
もっと練習したくなったのだ。
引っ越しと、防音室のレンタル
この頃には、オーボエも単なる趣味ではなく、演奏の仕事や自主公演をするようになっていた。
そうすると週末の練習だけでは練習量がどうしても足りない。もっと吹きたいという気持ちが強くなった。
そんな中、YAMAHAで防音室が借りられるということを知った。
防音室が家にあればいつだって練習ができる…!
そう考えた僕は防音室のある暮らしを目指して行動を起こした。
まずは引っ越しだった。
当時住んでいた木造の賃貸アパートは防音室の設置がNG。
防音室を入れられる鉄筋コンクリートのマンションに引っ越すことにした。
レンタルはオンライン上の申し込みで簡単に完了した。
導入日に業者さんに組み立ててもらい、あっという間に僕の防音室のある暮らしが始まった。
この日々はサイコーだ。
朝起きて、パジャマ姿で楽器を練習する。
周囲への迷惑を考える必要もない。
環境を変えることはなかなか難しいことだ。
でも、思い切って引っ越しまでしてこの環境を作った過去の自分は本当によくやってくれたと思う。
練習場所を確保するために引っ越しまでするなんて、昔の僕なら考えもしなかったと思う。
でも、楽器を続けていくうえで「いつでも吹ける場所」は、それくらい大事な生活環境だなぁと感じている。
防音室のレンタルについてはまた今度、別の記事を書こうかな。

太田 駿祐
オーボエ奏者・コンサートデザイナー
札幌を拠点に、オーボエ奏者として活動しながら自主公演を企画。
演奏だけでなく、企画・MC・デザインまで自ら手がけています。

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