巨大な鯨が泳ぐ海、世界の創造を描く壮大な音楽、そして日本各地に伝わる祭りや伝説。自然や歴史、風土を題材に、個性豊かな吹奏楽作品を生み出しているのが、阿部勇一(あべ ゆういち/Yuichi Abe)です。
《交響詩「鯨と海」》《ファンタスマゴリア》《交響詩「ヌーナ」》など、コンクール自由曲として知られる作品をはじめ、1992年と1995年には全日本吹奏楽コンクール課題曲も手がけました。その音楽には、豊かな旋律とダイナミックな響き、そして題材を丁寧に描く物語性があります。
この記事では、阿部勇一の代表的な吹奏楽曲35作品を、成立背景や聴きどころ、演奏動画とともにご紹介します。大編成の交響詩から小編成向けの自由曲、ユニークな演奏会作品まで、ぜひお気に入りの1曲を見つけてください♪
交響詩「鯨と海」
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約11分40秒
《交響詩「鯨と海」》は、巨大な鯨と母なる海をテーマにした壮大な吹奏楽作品。グラールウインドオーケストラの委嘱により作曲され、2022年6月に初演されました。自然の雄大さと生命の尊さを描いた、阿部勇一の代表的な交響詩です。
音楽は氷の浮かぶ北極海から始まり、鯨とともに暖かい南の海を目指す旅へと進みます。フルートからソプラノサクソフォーンへ受け継がれる旋律や、新しい生命の誕生を祝う壮麗な音楽が聴きどころ。最後には、それまでのモチーフが再び現れ、力強い「命の歌」で締めくくられます。
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ファンタスマゴリア
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約7分
《ファンタスマゴリア》は、小編成向けのコンクール自由曲として注目したい作品。2014年に秋田県由利本荘市立本荘南中学校吹奏楽部の委嘱で作曲され、最少20人から演奏できるように工夫されています。
題名は、走馬灯のように次々と移り変わる幻影を意味する言葉。急・緩・急の3部構成で、管楽器全体や木管・金管のグループによるユニゾンが印象的です。変拍子をできるだけ避け、繰り返しを効果的に使うことで、取り組みやすさと音楽的な迫力を両立させています。
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交響詩「天地創造」
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約10分50秒
《交響詩「天地創造」》は、旧約聖書の創世記を題材にした大規模な吹奏楽作品。2023年、川越奏和奏友会吹奏楽団の第45回定期演奏会を記念して委嘱されました。同団がコンクールでも取り上げた、近年の重要なレパートリーです。
混沌とした世界から光が生まれ、空や大地、生命が創造されていく壮大な物語を描きます。金管楽器の堂々とした響きには、作曲者が少年時代に親しんだワーグナーの歌劇からの影響も。静寂と爆発的なエネルギーの対比、そして疾走感あふれる終結部が聴きどころです。
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※掲載動画は作曲者本人が公開している電子音源です。
交響詩「ヌーナ」
作曲:阿部勇一
《交響詩「ヌーナ」》は、原始の地球を題材とした吹奏楽作品。2017年に第50回JBA下谷賞を受賞した、阿部勇一の代表作のひとつです。大きなスケールで自然や世界の始まりを描く、作曲者の個性が感じられます。
「ヌーナ」は、太古の地球に存在したと考えられている超大陸の名称。現在とはまったく異なる地球の姿を想像しながら聴くと、作品の題材がぐっと身近になります。《天地創造》と聴き比べて、世界の始まりを描く2つの交響詩の違いを楽しむのもおすすめです。
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黎明のエスキース
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約8分20秒
《黎明のエスキース》は、明治維新という大きな時代の転換期を題材とした作品。大津シンフォニックバンドの委嘱で作曲され、2017年の全日本吹奏楽コンクールでも演奏されました。
「黎明」は夜明け、「エスキース」は絵画などの制作前に描く下絵のこと。激動の時代を生き抜いた人々の決意を、日本の未来へ向けた下絵になぞらえています。衝撃的な序奏、日本への追憶を感じさせる中間部、夜明けを描く後半部が対照的。ピッコロ、フルート、イングリッシュホルン、ホルンなどのソロにも注目です。
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男鹿絹篩(おがきぬぶるい)
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約11分45秒
《男鹿絹篩》は、秋田県の男鹿半島を題材にした3曲構成の吹奏楽作品。1999年に秋田県立新屋高等学校の委嘱で作曲され、のちに「21世紀の吹奏楽“響宴”」でも取り上げられました。
第1曲「三吉神像」、第2曲「柴灯祭」、第3曲「男鹿国勝景」からなり、なまはげ伝説や祭り、男鹿の神秘的な風景を描きます。和太鼓や締太鼓などの打楽器に加え、イングリッシュホルンのソロが重要な役割を担うのも魅力。日本の風土を描いた吹奏楽曲を探している人にぜひ知ってほしい作品です。
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行進曲「ラメセスⅡ世」
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約3分10秒(1995年課題曲版)
《行進曲「ラメセスⅡ世」》は、1995年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ。第5回朝日作曲賞で最優秀賞を受賞した作品で、古代エジプトを題材とした異国情緒あふれる行進曲です。
ラメセスⅡ世は古代エジプトのファラオとして知られる人物。通常のマーチとは少し異なる独特の音楽的な色彩が魅力です。なお、後年には大規模な《交響組曲「ラメセスⅡ世」》も作曲されていますが、こちらは別の作品。1995年課題曲版と2010年の大編成版でも編成が異なるため、楽譜を選ぶ際には注意しましょう。
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吹奏楽のためのフューチュリズム
作曲:阿部勇一
《吹奏楽のためのフューチュリズム》は、1992年度全日本吹奏楽コンクール課題曲B。阿部勇一の初期の代表作であり、作曲家としての活動を知るうえで欠かせない作品のひとつです。
「フューチュリズム」は、20世紀初頭に生まれた芸術運動「未来派」を意味する言葉。未来や新しい表現を連想させる題名も印象的です。後年の大規模な交響詩と比較しながら、若い時期の阿部勇一が吹奏楽でどのような表現を目指していたのかを聴き比べてみたい1曲です。
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神の領域 カルナック
作曲:阿部勇一
《神の領域 カルナック》は、古代エジプトを題材とした吹奏楽作品。「21世紀の吹奏楽“響宴”」でも紹介され、阿部勇一の大編成作品として取り上げたい1曲です。
カルナックは、古代エジプトの神殿群で知られる場所。巨大な柱や神殿が残る遺跡の姿は、壮大な音楽の題材にもふさわしいものです。《ラメセスⅡ世》とあわせて、同じ作曲家が古代エジプトをどのように音楽へ取り入れているかを楽しみたい作品です。
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大唐西域記より 第一章「序曲 玄奘」
作曲:阿部勇一
《大唐西域記》は、中国の僧侶・玄奘三蔵の旅を題材とした吹奏楽作品。第一章「序曲 玄奘」は、その壮大な旅の始まりを描く作品です。
玄奘は仏教の経典を求めてインドへ渡り、帰国後に旅の記録を残しました。その記録が《大唐西域記》です。歴史上の人物が体験した長い旅を題材にした作品として、異国の風景や旅の情景を想像しながら聴いてみたい1曲。第二章との聴き比べもおすすめです。
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大唐西域記より 第二章「屈支国(クチャ)にて」
作曲:阿部勇一
《大唐西域記》の第二章は、中央アジアに存在した屈支国(クチャ)を題材とした作品。玄奘三蔵の旅を描く連作の一部であり、第一章とは異なる土地の歴史や文化に目を向けた1曲です。
クチャは、古代シルクロードの重要な都市として栄えた地域です。多様な文化や音楽が行き交った歴史を知ることで、作品の世界をより具体的に想像できます。ピッコロやソプラノサクソフォーンなどの音色にも注目しながら聴きたい作品です。
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北天の陽(ほくてんのひ)
作曲:阿部勇一
《北天の陽》は、秋田県の由利地方にゆかりのある歴史や人物を題材とした吹奏楽作品。秋田で育った阿部勇一ならではの、郷土への関心が感じられるレパートリーです。
「北天」という言葉からは北国の空が、「陽」という文字からは光や希望が連想されます。日本の地域文化を題材にした吹奏楽作品を探している人にとっても興味深い1曲。《男鹿絹篩》《秋田民謡の主題による変容》とともに、秋田に関係する作品をまとめて聴くのも面白そうです。
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幻想曲「狐の嫁入り」
作曲:阿部勇一
《幻想曲「狐の嫁入り」》は、日本各地に伝わる狐の嫁入りの伝承を題材とした吹奏楽作品。幻想的な物語を音楽にした、阿部勇一の日本的な作品のひとつです。
特に面白いのが、雨の音を表現する演出。奏者が指を鳴らしたり膝を叩いたりして小雨の情景を作る場面があります。通常の楽器演奏だけではない表現も取り入れられた、印象的な1曲です。
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女化稲荷月朧夜 ~狐の恩返し伝説による幻想曲~
作曲:阿部勇一
《女化稲荷月朧夜(おなばけいなりつきおぼろよ)》は、茨城県に伝わる狐の恩返しの伝説を題材とした吹奏楽作品。《狐の嫁入り》とは別の物語に基づく、幻想的な1曲です。
題名にある女化稲荷は、茨城県牛久市にある神社。月の光に照らされた夜の情景を思わせる題名が印象的です。最少12人から演奏できる編成で、少人数のバンドでも日本の伝承を描いた作品に挑戦できるのが魅力です。
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洛北幻想~葵~
作曲:阿部勇一
《洛北幻想~葵~》は、京都の葵祭を題材とした吹奏楽作品。地域に根ざした日本の伝統行事を音楽にした、阿部勇一のレパートリーのひとつです。
葵祭は、京都の賀茂社に伝わる歴史ある祭礼。平安装束をまとった人々が行列する姿でも知られています。古都の風景を思い浮かべながら聴きたい作品で、最少23人から演奏できる編成も特徴です。
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折鶴
作曲:阿部勇一
《折鶴》は、三重県桑名市に伝わる「連鶴」の文化を題材とした吹奏楽作品。折り紙という身近なものを通して、日本の繊細な伝統文化を描いた1曲です。
連鶴は、一枚の紙から複数の鶴をつながった状態で折り上げる技法。桑名には江戸時代から伝わる独自の連鶴文化があります。3部構成の音楽を通して、折鶴が持つ美しさや日本的な感性を味わいたい作品です。
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われらをめぐる海 ~レイチェル・カーソンに捧ぐ~
作曲:阿部勇一
《われらをめぐる海》は、海洋や環境を題材とし、アメリカの海洋生物学者・作家レイチェル・カーソンに捧げられた吹奏楽作品。阿部勇一が自然や生命へ向ける関心を感じられる大規模なレパートリーです。
カーソンは《沈黙の春》で広く知られますが、海を題材にした著作も残しています。海に生きるものや、それを取り巻く自然へのまなざしを知ることで、作品名に込められた意味をより深く考えられそうです。《鯨と海》とあわせて聴きたい1曲です。
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イル・デ・パン ~瑠璃の海~
作曲:阿部勇一
《イル・デ・パン ~瑠璃の海~》は、ニューカレドニアにあるイル・デ・パン島を題材とした吹奏楽作品。美しい海と島の風景を思わせる、自然をテーマにしたレパートリーです。
イル・デ・パンは、フランス語で「松の島」を意味する名前。透明度の高い海と独特の景観で知られています。最少22人から演奏できる編成で、島の風景を題材にした作品を探しているバンドにも注目してほしい1曲です。
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テンペスト ~愛と赦しの島~
作曲:阿部勇一
《テンペスト ~愛と赦しの島~》は、シェイクスピアの戯曲《テンペスト》を題材とした吹奏楽作品。文学と音楽を結びつけた、物語性のある大編成向けのレパートリーです。
原作は、魔法を使うプロスペローが島で繰り広げる出来事を描いた物語。嵐や魔法、対立、そして赦しへとつながる展開が特徴です。物語の背景を知ってから聴くと、作品の劇的な世界をより身近に感じられそうですね。
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ヒロイック・ストーリー
作曲:阿部勇一
《ヒロイック・ストーリー》は、英雄的な物語を思わせる題名を持つ吹奏楽作品。大規模な交響詩とは少し異なる作品を探している人にも紹介したい1曲です。
トランペットのソロが印象的な役割を担い、最少23人から演奏できる編成も特徴。金管楽器の力強い響きを生かした作品を探しているバンドや、トランペット奏者の活躍を取り入れたい演奏会にも候補となりそうです。
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Infinito Fervore(インフィニト・フェルヴォーレ)
作曲:阿部勇一
《Infinito Fervore》は、八戸ウインドアンサンブルの記念演奏会のために委嘱された吹奏楽作品。ラテン語系の言葉を思わせる題名が印象的な、祝典的なレパートリーです。
「Infinito」は無限、「Fervore」は熱意や情熱を意味する言葉として使われます。団体の歩みや音楽への思いを重ねながら聴きたい作品で、記念演奏会のために生まれたという成立背景にも注目したい1曲です。
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交響詩「河越」
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約19分
《交響詩「河越」》は、埼玉県川越市の歴史と文化を題材とした大規模な吹奏楽作品。川越の美しい桜や町並み、祭りの情景を描いた3楽章構成の交響詩です。
「河越」は川越の古い表記。小江戸として知られる町の歴史や風景が、約19分という大きなスケールで表現されます。グレード5の大編成作品で、打楽器や和の音色を生かした楽器も充実。演奏会のメインプログラムとして検討したい1曲です。
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交響詩「玉楠の木」
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約12分
《交響詩「玉楠の木」》は、横浜の歴史を見守ってきた一本の木を題材とした作品。六角橋吹奏楽団の第20回定期演奏会を記念して委嘱され、2023年6月に初演されました。
玉楠の木は、ペリー来航の時代から横浜の歴史と結びついてきた存在。作品では開国や文明開化、震災という大きな出来事を経て、再び芽吹く木の姿が描かれます。美しい緑を感じさせる旋律から始まり、歴史の激動と再生へと進む物語を味わいたい交響詩です。
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「地水火風空」~5つの打楽器群とウインドオーケストラのための~
作曲:阿部勇一
《地水火風空》は、5つの打楽器群と吹奏楽のために書かれた作品。2024年の作品として紹介されており、通常の吹奏楽とは異なる打楽器の役割に注目したい1曲です。
題名にある「地・水・火・風・空」は、古くから世界を構成する要素として考えられてきた五大を表す言葉。5つの打楽器群という編成と結びつけて、音楽がどのような響きを作り出すのかが興味深いところです。打楽器の充実した吹奏楽団にとっても注目したいレパートリーです。
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水神龍蛙 ~龍ケ崎、雨蛙フク伝説による幻想曲~
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約6分40秒
《水神龍蛙(すいじんりゅうあ)》は、茨城県龍ケ崎市に伝わる雨蛙「フク」の伝説を題材とした吹奏楽作品。地域の伝承をもとにした、幻想的な小編成向けの自由曲です。
龍ケ崎には「撞舞(つくまい)」と呼ばれる伝統芸能があり、雨乞いや雨蛙に関わる文化が伝えられています。作品は13〜22パートの編成に対応し、グレード3。少人数のバンドでも、地域文化に根ざした物語の音楽に挑戦できるのが魅力です。
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組曲「ボヘミアの操り人形」
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約7分10秒
《ボヘミアの操り人形》は、ヨーロッパの人形劇を題材とした吹奏楽組曲。3つの場面がそれぞれ違った表情を見せる、親しみやすい物語性を持つ作品です。
構成は「Ⅰ. 騎士の登場」「Ⅱ. 眠れる森の美女」「Ⅲ. 異国の踊り」の3曲。小編成の16〜25パートに対応し、演奏時間は約7分10秒、グレード3+です。物語の場面がはっきりしているので、曲の情景を想像しながら演奏に取り組めそうですね。
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ゆく蛍 雲のうへまで
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約8分10秒
《ゆく蛍 雲のうへまで》は、古典文学《伊勢物語》に登場する和歌を題材とした吹奏楽作品。日本文学と音楽を結びつけた、阿部勇一のレパートリーです。
作品名には、蛍が空へ飛んでいく美しい情景が込められています。24〜28パートの小編成に対応し、グレード4+。繊細な題材を持ちながら、演奏にはしっかりとした技術も求められる作品です。古典文学を題材にした自由曲を探している人にも注目してほしい1曲です。
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アルマリブレ ~大草原パンパの民へ~
作曲:阿部勇一
《アルマリブレ ~大草原パンパの民へ~》は、南アメリカの大草原「パンパ」を題材とした吹奏楽作品。日本の伝承やヨーロッパの歴史作品とは異なる、広大な土地と人々の文化に目を向けた1曲です。
パンパは、アルゼンチンやウルグアイなどに広がる草原地帯。牧畜文化などとも深く結びついています。「アルマリブレ」はスペイン語で「自由な魂」を意味する言葉。題名の意味や土地の歴史を知ってから聴くと、作品が持つ世界をより身近に感じられそうです。
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Hand Over
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約4分
《Hand Over》は、約4分というコンパクトな演奏時間を持つ吹奏楽作品。最少27人から演奏可能な編成で、長大な交響詩とは異なる作品を探している人にも注目してほしい1曲です。
「Hand Over」は英語で「手渡す」「引き継ぐ」という意味の表現。演奏会のプログラムに取り入れやすい長さなので、ほかの大きな作品と組み合わせて選曲することも考えられます。
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行進曲「天高く」
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約5分20秒
《行進曲「天高く」》は、三重とこわか国体・とこわか大会のために作曲された公式行進曲。大会は新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、楽曲はその後も演奏できる形で出版されています。
明るいファンファーレから始まり、爽快な行進曲のリズムと親しみやすい旋律が広がります。中間部には温かな歌の旋律も登場し、再び華やかな音楽へ。式典や演奏会のオープニングにも使いやすい、希望に満ちたマーチです。
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ドラゴン・ライズ
作曲:阿部勇一
《ドラゴン・ライズ》は、2026年に出版された小編成向けの吹奏楽作品。阿部勇一が手がける比較的新しいレパートリーとして、少人数バンドの自由曲選びにも注目したい1曲です。
題名の「ドラゴン」は龍、「ライズ」は上昇することを意味する言葉。力強いイメージを持つ題名が印象的です。大編成の交響詩がよく知られる作曲家ですが、こうした小編成向け作品まで選択肢が広がっている点も魅力ですね。
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パックスロマーナ ~吹奏楽のための~
作曲:阿部勇一
《パックスロマーナ》は、1996年に作曲された阿部勇一の初期作品。1992年と1995年のコンクール課題曲に続く時期に書かれており、作曲家の創作活動を時代順にたどるうえでも紹介したい1曲です。
「パックス・ロマーナ」は、古代ローマ帝国が比較的安定した時代を表す言葉。歴史的な題材に関心を持つ作曲家の作品として、《神の領域 カルナック》《大唐西域記》などと並べて聴き比べるのも興味深いですね。
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パニックキッチン協奏曲
作曲:阿部勇一
《パニックキッチン協奏曲》は、キッチン用具と吹奏楽のために書かれたユニークな作品。壮大な自然や歴史を題材にした阿部勇一の作品とはひと味違う、遊び心を感じられるレパートリーです。
通常の打楽器ではなく、料理に使う道具を演奏に取り入れるという発想が面白いところ。「協奏曲」という名前のとおり、主役となる音と吹奏楽との掛け合いにも注目したい作品です。演奏会の企画や演出を考える際にも、知っておくと楽しそうな1曲ですね。
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マルシュ・カプリス
作曲:阿部勇一 / 演奏時間:約4分
《マルシュ・カプリス》は、自由な音楽的表現を取り入れた行進曲。「マルシュ」はマーチ、「カプリス」は気まぐれな性格の音楽を指す言葉で、一般的な行進曲とは少し違った魅力を感じられます。
明るい琵琶湖の風景から着想を得た作品で、自由な転調や躍動感のある音楽が特徴。約4分という演奏時間なので、マーチを中心にした演奏会はもちろん、定期演奏会のプログラムにも取り入れやすい1曲です。
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しづ心なく花のちるらむ ~小京都抒情詩~
作曲:阿部勇一
《しづ心なく花のちるらむ》は、桜の花を詠んだ和歌を思わせる題名を持つ吹奏楽作品。「小京都抒情詩」という副題が付けられており、和の情景を題材にした阿部勇一の作品のひとつです。
題名の言葉は、紀友則の和歌「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」に由来します。穏やかな春の日に散っていく桜への思いが、詩的な世界を生み出しています。日本の風景や古典文学を題材にした作品を探している人にも注目してほしい1曲です。
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作曲家について
阿部勇一(あべ ゆういち/1968年生まれ)は、埼玉県生まれ、秋田県育ちの作曲家。1992年度《吹奏楽のためのフューチュリズム》、1995年度《行進曲「ラメセスⅡ世」》が全日本吹奏楽コンクール課題曲に採用されました。2017年には《交響詩「ヌーナ」》でJBA下谷賞を受賞。日本各地の風土や伝承、自然、歴史を題材とした多彩な吹奏楽作品を発表しています。
