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大栗裕の代表曲10選|吹奏楽の名曲を演奏動画つきで紹介

大阪の祭囃子、日本の神話、そして土俗的なリズムが生み出す鮮烈な響き。日本の伝統文化を独自の音楽に結びつけた作曲家が、大栗 裕(おおぐり ひろし/Hiroshi Ohguri)です。

《大阪俗謡による幻想曲》《吹奏楽のための神話》《仮面幻想》など、吹奏楽コンクールや演奏会で親しまれている名曲を残しました。その音楽には、大阪の祭りや日本の伝承に根ざした、ほかの作曲家とはひと味違う魅力があります。

この記事では、大栗裕の代表的な吹奏楽曲10作品を、成立背景や聴きどころ、演奏動画とともにご紹介します。有名作品はもちろん、初期の舞曲や課題曲、珍しい音楽物語まで、ぜひ聴き比べてみてください♪

目次

吹奏楽のための「大阪俗謡による幻想曲」

作曲・吹奏楽編曲:大栗 裕 / 演奏時間:約12分(全曲版)

大栗裕の代表作として、まず聴いてほしいのが《大阪俗謡による幻想曲》。大阪の祭囃子を題材にした作品で、吹奏楽コンクールでも長年にわたって演奏されている日本の吹奏楽の名曲です。

もともとは1956年に管弦楽作品として書かれ、1970年の改訂を経て、1974年に作曲者自身が吹奏楽版を制作しました。天神祭のだんじり囃子や獅子舞の音楽などが取り入れられ、独特の打楽器やピッコロの響きが印象的。約12分の全曲版のほかに、コンクール向けの短縮版もあるため、聴き比べる際には版の違いにも注目したい作品です。

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吹奏楽のための神話 ~天の岩屋戸の物語による~

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約13分30秒

《吹奏楽のための神話》は、1973年に大阪市音楽団の創立50周年を記念して作曲された作品。《大阪俗謡による幻想曲》と並び、大栗裕を代表する大規模な吹奏楽作品です。

題材は、天照大神が天岩戸に隠れて世界が暗闇に包まれる日本神話。神々が集まって相談し、天鈿女命が踊り、やがて世界に光が戻るまでの物語が音楽で描かれます。神秘的な雰囲気から激しい踊りへと展開する、劇的な音楽が魅力。なお、この作品は吹奏楽版が先に作曲され、1977年に管弦楽版へ編曲されています。

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仮面幻想

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約10分30秒

《仮面幻想》は、1981年に国立音楽大学シンフォニック・ウインド・アンサンブルのために作曲された、大栗裕の晩年の代表作。吹奏楽コンクールでも演奏されている、独特の個性を持つ作品です。

作曲の着想となったのは、「新鳥蘇(しんとりそ)」と呼ばれる舞楽の面。どこか滑稽な表情を持つその面から、作曲者は古風な笑いやユーモアを音楽にしました。幻想的な序奏から変拍子を交えた躍動的な音楽へと展開し、独特のリズムと音色が印象に残ります。

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巫女の詠えるうた

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約7分10秒

《巫女の詠えるうた》は、尼崎市吹奏楽団の委嘱によって1979年に完成した作品。青森県の恐山を舞台に、荒涼とした風景と、イタコと呼ばれる巫女による口寄せを題材にしています。

険しい岩場を思わせる力強い音楽から、湖を連想させる穏やかな旋律へ。さらにピッコロやクラリネットによる特徴的なフレーズが登場し、神秘的な世界が広がります。約7分という長さの中に、日本の風土や信仰への関心が凝縮された作品です。

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吹奏楽のための小狂詩曲

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約6分30秒

《吹奏楽のための小狂詩曲》は、1966年度全日本吹奏楽コンクール課題曲として選ばれた作品。大栗裕の初期の吹奏楽曲として、歴史的にも重要な1曲です。

「狂詩曲(ラプソディー)」は、自由な構成を持つ器楽曲を指す言葉。日本的な響きやリズムが持つ力強さを、吹奏楽の編成で味わえます。
《大阪俗謡による幻想曲》《神話》などにも共通する、大栗裕らしい土俗的なリズムや響きにも注目してみてください。

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吹奏楽のためのバーレスク

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約4分30秒

《吹奏楽のためのバーレスク》は、1977年度全日本吹奏楽コンクール課題曲B。大栗裕が作曲した二つの課題曲のうち、後年に発表された作品です。

「バーレスク」は、滑稽さや風刺的な性格を持つ音楽を指す言葉。大栗裕の作品というと重厚な神話や祭礼を思い浮かべるかもしれませんが、この曲では軽妙でユーモラスな一面を楽しめます。演奏時間も約4分半とコンパクトな1曲です。

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吹奏楽のためのディヴェルティメント

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約11分30秒

《吹奏楽のためのディヴェルティメント》は、1969年に大阪音楽大学の吹奏楽演奏会のために作曲された作品。大栗裕の初期から中期にかけての創作活動を知るうえで、ぜひ押さえておきたい1曲です。

「ディヴェルティメント」は、さまざまな性格の音楽を楽しむ娯楽的な器楽曲を指す言葉。大栗裕の作品では、日本的な音楽素材を使った重厚な作品がよく知られていますが、こうした形式の作品にも注目すると、作曲家としての幅広さが見えてきます。

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二つの踊り

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約8分

《二つの踊り》は、1963年に作曲された大栗裕の初期の吹奏楽作品。大阪府警察音楽隊によって演奏され、のちに自筆譜をもとに楽譜が出版されました。

踊りを題材とした作品らしく、リズムの力強さや活発な音楽に注目したい1曲。のちの《吹奏楽のためのエチュード》にも通じる、大栗裕の土俗的な音楽表現を楽しめます。初期作品だからこそ感じられる魅力を探してみてください。

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吹奏楽のためのエチュード

作曲:大栗 裕 / 演奏時間:約13分30秒

《吹奏楽のためのエチュード》は、大阪府警察音楽隊のために1964〜1965年にかけて作曲された作品。1966年度課題曲《小狂詩曲》に先立つ、初期の重要な吹奏楽作品です。

作品は、快活で華やかな第1番と、歌うような音楽が特徴の第2番「アリア」の2曲から構成されています。同じ作品の中で対照的な表情を楽しめるのが魅力。30人程度での演奏も可能とされており、大編成以外のバンドでも検討できる作品です。

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ピカタカムイとオキクルミ

作曲・吹奏楽編曲:大栗 裕 / 演奏時間:約25分30秒

《ピカタカムイとオキクルミ》は、アイヌの物語を題材とした音楽物語。もともとはマンドリンオーケストラのために作曲され、1976年に作曲者自身が吹奏楽版を制作しました。

物語には、風の女神ピカタカムイと、人々を守る存在であるオキクルミが登場します。特徴的なのは、吹奏楽に語り手とソプラノ独唱が加わる編成。通常の吹奏楽曲とは異なり、音楽と言葉が一体となって物語を進めます。演奏会で取り上げるなら、出演者の確保も含めて計画したい作品です。

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作曲家について

大栗 裕(おおぐり ひろし/1918〜1982)は、大阪府出身の作曲家・ホルン奏者。関西交響楽団(現在の大阪フィルハーモニー交響楽団)などでホルン奏者として活動する一方、管弦楽、吹奏楽、歌劇、マンドリン音楽など幅広い分野で作品を残しました。大阪の祭囃子や日本の神話・民話を題材にした独自の作風で知られ、「東洋のバルトーク」とも呼ばれています。

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