
オーボエより少し低く、柔らかく落ち着いた響きを持つオーボエ・ダモーレ。
その音色で《くるみ割り人形》を奏でる、ちょっと珍しい楽譜です。
原曲のオーケストラ編成には登場しない楽器だからこそ、《金平糖の精の踊り》の繊細さも、《アラビアの踊り》の静かな旋律も、ひと味違う表情に。
温かい音色で歌う旋律と、軽快な舞曲。その対比も魅力です。
組曲全8曲を、A管のオーボエ・ダモーレとピアノのデュオで楽しんでみませんか。
オーボエ・ダモーレとピアノで奏でる
くるみ割り人形 組曲
| 作曲 | P. I. チャイコフスキー |
| 編成 | オーボエ・ダモーレ&ピアノ |
| 収録曲 | 全8曲 |
| 楽譜内容 | スコア オーボエダモーレ パート譜 ピアノ伴奏譜 |
| ページ数 | 全108ページ |
| 販売価格 | 2,200円 |
収録曲一覧
- 小序曲
- 行進曲
- 金平糖の精の踊り
- ロシアの踊り(トレパック)
- アラビアの踊り
- 中国の踊り
- 葦笛の踊り
- 花のワルツ
演奏のポイント
《小序曲》では休符やスタッカートを生かす軽快さ、《行進曲》では3連符を含む明快なリズムがポイント。《中国の踊り》には7連符や5連符も登場し、指と息の連携が試されます。一方、《アラビアの踊り》や《花のワルツ》では、オーボエ・ダモーレらしい丸みのある音色で長いフレーズを歌いたいところ。
全8曲の解説と演奏動画
01|小序曲
物語の幕開けを彩る、軽やかで愛らしい序曲。
高音弦楽器と木管楽器を中心とした、明るく繊細な響きが特徴です。
冒頭から短い休符とスタッカートが続き、弱音で軽やかに始まります。オーボエ・ダモーレの柔らかな音色を生かしながらも、一音ごとの輪郭をぼかさないことがポイント。短い音とスラーでつながる音を丁寧に吹き分けたいところです。
02|行進曲
おもちゃの兵隊の行進を思わせる、歯切れのよい音楽。明るいファンファーレと弾むリズムが、クリスマスの華やかさを伝えます。
冒頭から3連符を含む弾むリズムが現れ、強弱も切り替わります。音を重くしすぎず、明快な拍感を保って演奏したい曲。オーボエ・ダモーレの落ち着いた音色の中にも、行進曲らしい歯切れのよさを感じさせましょう。
03|金平糖の精の踊り
きらめくチェレスタの音色で有名な、幻想的な一曲。少し不思議で神秘的な雰囲気が、甘いお菓子の国へ誘います。
ピアノの静かな導入を4小節聴いてから、オーボエ・ダモーレが登場します。最初の音を慌てず、伴奏の響きから自然につなげたいところ。短い音型が続く場面でも柔らかな弱音を保ち、チェレスタとは異なる温かい幻想性を引き出しましょう。
04|ロシアの踊り(トレパック)
勢いよく駆け抜ける、エネルギッシュなロシア舞曲。歯切れのよいリズムと急速な展開が聴きどころです。
冒頭からアクセントやスタッカートの付いた音が続き、強弱の対比も鮮やかです。豊かな中音域の響きに頼りすぎず、短い音を歯切れよく。速いテンポでも息を止めず、舞曲の勢いと音色のまとまりを両立させたいところです。
05|アラビアの踊り
ゆったりとした時間の流れと、どこか異国を思わせる旋律が特徴。静けさの中に独特の緊張感が漂います。
3/8拍子のピアノ伴奏が続いたあと、オーボエ・ダモーレは弱音の長い音から加わります。スラーで結ばれた旋律の途中で息の流れを途切れさせず、低めの落ち着いた響きを生かしたい楽章。静かな音量でも音色の芯を保つことが大切です。
06|中国の踊り
短いながらも印象に残る、ユーモラスで軽快な舞曲。木管楽器の明るい響きと、独特のリズムが魅力です。
ピアノの低音によるリズムの上に、7連符で駆け上がる音型や5連符で下降する動きが登場します。指と息をそろえ、細かな音を急がず均等に。オーボエ・ダモーレのまろやかな響きを残しながら、軽快なユーモアを表現したい曲です。
07|葦笛の踊り
原曲ではフルートによる可憐な主題が印象的。
弦楽器のピッツィカートに乗せて、柔らかく跳ねるような音楽が広がります。
ピアノによる短い導入のあと、スタッカートを含む軽やかな音型から始まります。続いて細かな上昇音型や、長くつなぐフレーズも登場。原曲のフルートの透明感を参考にしつつ、オーボエ・ダモーレならではの柔らかな歌に変えて楽しみたいところです。
08|花のワルツ
組曲を華やかに締めくくる壮大なワルツ。
優雅な旋律が次々に現れ、音楽は大きなクライマックスへと向かいます。
冒頭は明快な3拍子の音型、その後は長く伸ばす音や休符が続きます。短い発音と大きく歌うフレーズの対比を意識したいところ。落ち着いた音色を生かしながら、ピアノとともにワルツの広がりをつくりましょう。
こんな演奏シーンにおすすめ
ほかの楽器でも楽しめます
《くるみ割り人形》組曲は、オーボエ・ダモーレのほかにも18種類の楽器のための編曲版をご用意しています。公開済みの楽器版も含め、各楽器のページを順次ご紹介していきます。



